トップ / Gスポットの俗説と事実 / Gスポット増強は効くのか

俗説と事実 16|増強(注射)

Gスポット増強(注射)は、効くのか。安全なのか

有効性も安全性も、確かめられていない

米国産婦人科学会(ACOG)の2007年の見解は、「Gスポット増強」を、医学的に必要とされず、安全性と有効性が記録されていない膣の処置の一つに挙げています。想定される合併症は、感染、感覚の変化、行為時の痛み、癒着、瘢痕(きずあと)です。

Puppo と Gruenwald(2012)は、フィラーなどを注入して一時的にGスポットの大きさと感度を上げるこの処置を、医学的に必要がなく効果もない、と評価しました。

よく聞く話

「Gスポットに注射すれば感度が上がる」と紹介する広告や記事を見かけることがあります。

読んだ研究

  • ACOG Committee Opinion No. 378(2007)米国産婦人科学会の委員会見解
    分かったこと
    「膣の若返り」「デザイナー膣形成」「処女膜の再生」「Gスポット増強」といった膣の処置が、一部の施術者から提供されている。これらは医学的に必要とされず、安全性と有効性は記録されていない。依頼を受けた医師は、理由を話し合い、症状を評価する。女性には、効果を裏づけるデータがないことと、感染、感覚の変化、行為時の痛み、癒着、瘢痕などの合併症の可能性を伝えるべきだ、とした。
    読むときの注意
    2007年の見解で、その後の更新は、この面の筆者は確認していない。
  • Puppo と Gruenwald 2012(Int Urogynecol J)「Gスポットは存在するか」を検討した総説
    分かったこと
    Gスポット増強とは、膀胱と膣の間の中隔に、フィラーやコラーゲン様の物質を注入し、Gスポットの大きさと感度を一時的に上げるとされる美容的な処置。著者らは、これは医学的に必要でなく、不要で効果のない処置だと述べる。
    読むときの注意
    「Gスポットは存在しない」という著者らの立場にもとづく評価。
  • Wang と Long 2022(J Cosmet Laser Ther)性器への美容目的の注入のあとに起きた肺塞栓の文献レビュー(11本の論文、14例)
    分かったこと
    14例のうち女性は12人で、注入部位は膣壁が11例、Gスポットが1例。注入物はシリコーンが8例などで、主な症状は息切れと胸の痛みだった。5人は改善し、7人は臓器不全で死亡した。著者らは、性器への美容目的のフィラー注射は、厳格に審査・承認されていない実験的な処置だと述べる。
    読むときの注意
    合併症の報告を集めたもので、頻度は分からない。注入物はシリコーンが多く、他の物質に当てはまるとは限らない。
  • Ostrzenski 2018(Aesthetic Plast Surg)Gスポット形成術(手術)の症例シリーズ。3人、5年の経過観察
    分かったこと
    3人とも合併症なく、膣でのオーガズムの再獲得と、前の壁の膨らみが戻ったことを報告した。著者は、結果は有望だとした。
    読むときの注意
    3人の症例で、比較の群はない。著者は、構造を「発見した」と報告した本人で、証拠のレベルも著者自身が「レベルIV」と記載している。注射ではなく手術の報告。

広告や案内を見たときに確かめたいこと

  • 「Gスポットがある」ことが、前提になっていないか(→ 存在の面)
  • 効果の根拠が、少数例の報告ではなく、比較のある研究か
  • ACOGが挙げる感染・感覚の変化・痛み・癒着・瘢痕について、説明があるか

報告された合併症は、頻度を示すものではない

Wang と Long(2022)のレビューは、報告された14例を集めたもので、どれくらいの確率で起きるかは分かりません。ただ、重い合併症が報告されていることと、注入が「実験的」と書かれていることは、判断の材料になります。

まだ分かっていないこと

  • Gスポット増強の効果を、比較する条件で調べた研究(読んだ範囲には見つからなかった)
  • 長期の安全性

自分の体について考えるとき

感度や満足度に悩んで処置を考える前に、「ない」と答える人が4割前後いること(→ 誰にでもあるのか)や、痛みなどの症状があれば婦人科で相談できることを思い出してください。当サイトは医療機関ではなく、特定の処置を勧めたり止めたりするものではありません。

よくある質問

ACOGの見解は今も有効?

ここで読めたのは2007年の見解の要旨です。その後の更新は、この面の筆者は確認していません。気になる場合は、最新の見解を医師に確かめてください。

安全ですか

安全性は記録されていない、というのがACOGの見解です。Wang と Long(2022)は、性器への注射のあとに重い肺塞栓が報告されたことをまとめています(頻度は不明)。

出典

いずれも PubMed に載っている要旨(アブストラクト)を 2026年10月31日 に読んで確かめました。論文の全文は読んでいません。要旨に書かれていないことは、この面にも書いていません。

  • ACOG Committee on Gynecologic Practice. ACOG Committee Opinion No. 378: Vaginal "rejuvenation" and cosmetic vaginal procedures. Obstet Gynecol. 2007;110(3):737-738. PubMed 17766626
  • Puppo V, Gruenwald I. Does the G-spot exist? A review of the current literature. Int Urogynecol J. 2012;23(12):1665-1669. PubMed 22669428
  • Wang HC, Long X. Filler-induced non-thrombotic pulmonary embolism after genital aesthetic injection. J Cosmet Laser Ther. 2022;24(6-8):66-72. PubMed 35969584
  • Ostrzenski A. G-spotplasty: a new surgical plastic intervention - the preliminary study. Aesthetic Plast Surg. 2018;42(4):1126-1132. PubMed 29679100

更新日:2026年10月31日|gspot.tokyo 編集委員会。当サイトは医療機関ではありません。この面は医学的な診断や助言ではなく、公表された研究の要旨を読んでまとめたものです。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。

無理に予約を決めなくても大丈夫です

まずは無料Gスポット診断で、ご自身の状態を確かめてみてください。そのうえで気になることがあれば、0円になる範囲、当日の流れ、希望しない内容を匿名でご相談いただけます。相談だけで終了しても、予約や契約をお願いすることはありません。