よく聞く話
「Gスポットは誰にでもある。感じないのは開発が足りないから」という言い方と、「実在しないのだから探しても無駄」という言い方があります。
読んだ研究
- Burri ほか 2010(J Sex Med)1,804人の双子(22〜83歳)へのアンケート
- 分かったこと
- 56%が「Gスポットがある」と回答。年齢が上がるほど少なかった。一卵性と二卵性で似方に差がなく、回答のばらつきの89%超は個人の経験と測定のぶれで、遺伝の影響は見つからなかった。性的な行動、相手との満足度、性への態度とも関連があり、著者らは、自己申告のGスポットは「二次的な見かけの現象」ではないかと述べる。
- 読むときの注意
- 自己申告のみで、体を調べた研究ではない。著者ら自身、「女性によって自分の(本物の)Gスポットを見つける力に差があるのかもしれない」という別の説明も挙げている。この論文には論評が出された。
- Vieira-Baptista ほか 2021(Sex Med)31研究の系統的レビュー
- 分かったこと
- 調査6件で62.9%が「ある」と回答。臨床研究では55.4%で見つかった。2つの研究では誰にも見つからなかった。
- 読むときの注意
- 「見つかった」の意味が研究ごとに違い、同じ基準の数字ではない。
- Kilchevsky ほか 2012(J Sex Med)1950〜2011年の文献を調べた総説
- 分かったこと
- 調査では、多くの女性がGスポットは実在すると考えている。ただし、そう信じている女性のすべてが場所を見つけられたわけではない。
- 読むときの注意
- 調査の数字の紹介で、独自の測定ではない。
「ある」と答える人の特徴
Burri ほか(2010)では、性的な行動や相手との満足度、性への態度と、「Gスポットがある」という回答の間に関連がありました。関連であって原因ではなく、「満足しているから見つかる」「見つかるから満足する」のどちらとも決められません。
年齢で減る?
同じ調査で、年齢が上がるほど「ある」と答える人は少なくなりました。体の変化なのか、世代による性との向き合い方の違いなのかは、要旨からは分かりません。
まだ分かっていないこと
- 年齢で「ある」が減る理由
- 「ある」と答える人と「ない」と答える人で、体に違いがあるか(→ 体の作りの面)
- 同じ女性が、時期によって「ある」「ない」を変えるか
自分の体について考えるとき
「ない」「感じない」と答える人は、4割前後いる計算です。存在の議論が決着していない以上、見つからない自分が少数派でおかしい、と考える必要はありません。
よくある質問
感じないのは、経験が足りないから?
Burri ほか(2010)は、回答のばらつきの大部分を「個人の経験と測定のぶれ」と説明しています。経験が関わる可能性は示しますが、足りないから感じないと決める研究ではありません。
遺伝しないなら、体の違いはないの?
研究者らは2通りに解釈しています。(1)Gスポットに生理的な基盤がない。(2)自分のGスポットを検出する力に、女性ごとの差がある。どちらが正しいかは決着していません。
出典
いずれも PubMed に載っている要旨(アブストラクト)を 2026年10月31日 に読んで確かめました。論文の全文は読んでいません。要旨に書かれていないことは、この面にも書いていません。
- Burri AV, Cherkas L, Spector TD. Genetic and environmental influences on self-reported G-spots in women: a twin study. J Sex Med. 2010;7(5):1842-1852. PubMed 20059650
- Vieira-Baptista P, Lima-Silva J, Preti M, Xavier J, Vendeira P, Stockdale CK. G-spot: fact or fiction? A systematic review. Sex Med. 2021;9(5):100435. PubMed 34509752
- Kilchevsky A, Vardi Y, Lowenstein L, Gruenwald I. Is the female G-spot truly a distinct anatomic entity? J Sex Med. 2012;9(3):719-726. PubMed 22240236
更新日:2026年10月31日|gspot.tokyo 編集委員会。当サイトは医療機関ではありません。この面は医学的な診断や助言ではなく、公表された研究の要旨を読んでまとめたものです。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。