よく聞く話
「行為中に尿が出るのは、全部そういう体質で問題ない」という話と、「全部病気」という話があります。
読んだ研究
- Pastor 2013(J Sex Med)系統的レビュー
- 分かったこと
- 行為中の尿もれは、行為の始まりに起きるタイプ(頻度が高く、主に腹圧性尿失禁が原因)と、オーガズムのときに起きるタイプに分けられる。頻度は0.2〜66%。オーガズムのときのタイプでは、尿流動態検査で、排尿筋過活動や腹圧性尿失禁が見つかっている。尿もれは、尿道の異常や過活動膀胱などによる病的なしるしで、治療が必要。一方、液体が出ること自体は、典型的なオーガズムの一部ではない。
- 読むときの注意
- 頻度の幅が大きく、研究ごとの定義の違いが影響している可能性がある。
- Maseroli ほか 2026(J Sex Med)自己申告で液体が出ると答えた13人と、年齢をそろえた対照の女性。質問紙と液体の分析
- 分かったこと
- 液体が出ると答えた13人を、成分の分析で分類すると、勢いよく出る液体が8人、行為中の尿もれ(失禁)が4人、女性の射精が1人だった。
- 読むときの注意
- 13人の小さな研究。頻度の推定ではない。自己申告の「液体が出る」が、成分の違う別々の現象に分かれた、という例の報告。
区別がつきにくい理由
自分では同じ感覚でも、成分を分析すると別の現象だった、という結果が Maseroli ほか(2026)にあります。見た目や量、タイミングだけで区別するのは難しい、ということです。自己判断で「これは大丈夫」「これは病気」と決めにくい分野です。
相談先の考え方
レビューが「治療が必要」とするのは、尿道の異常や過活動膀胱などが原因の尿もれです。気になる場合は、原因を調べられる泌尿器科や婦人科に相談できます。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。
まだ分かっていないこと
- それぞれのタイプの本当の頻度(0.2〜66%は幅が広すぎる)
- 自分で区別する、確かな方法
自分の体について考えるとき
尿もれがあっても、恥ずかしいことではありません。治療が必要な状態かどうかは、専門家に調べてもらえます。
よくある質問
行為中に尿が出たら、必ず病気?
レビューは、尿もれ(失禁)は病的なしるしで治療が必要としています。一方で、勢いよく出る液体や射精は生理的な現象として区別しており、すべてが失禁というわけではありません。区別には液体の分析が必要になることもあります。
頻度はどれくらい?
行為中の尿もれは0.2〜66%と報告されていますが、幅が大きく、一つの数字にはまとめられません(Pastor 2013)。
出典
いずれも PubMed に載っている要旨(アブストラクト)を 2026年10月31日 に読んで確かめました。論文の全文は読んでいません。要旨に書かれていないことは、この面にも書いていません。
- Pastor Z. Female ejaculation orgasm vs. coital incontinence: a systematic review. J Sex Med. 2013;10(7):1682-1691. PubMed 23634659
- Maseroli E, Pesce F, Yannas D, et al. The squirt game. Psychosexual characteristics of women experiencing squirting: insights from a case-control study. J Sex Med. 2026;23(2):qdaf389. PubMed 41504413
更新日:2026年10月31日|gspot.tokyo 編集委員会。当サイトは医療機関ではありません。この面は医学的な診断や助言ではなく、公表された研究の要旨を読んでまとめたものです。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。