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俗説と事実 14|尿もれ

行為の最中に尿が漏れるのは、異常なのか

区別が必要:病的なもの(失禁)と、生理的なものがある

系統的レビュー(Pastor 2013)は、行為中の尿もれ(コイタル・インコンチネンス)を、「病的なしるしで、治療が必要」と位置づけています。ただし、行為中に液体が出ることのすべてが失禁というわけではなく、勢いよく出る液体や女性の射精のような生理的な現象とは区別するべきだ、とも書いています。

報告されている頻度は0.2〜66%と幅が広く、自己申告だけでは区別できないことがあります。

よく聞く話

「行為中に尿が出るのは、全部そういう体質で問題ない」という話と、「全部病気」という話があります。

読んだ研究

  • Pastor 2013(J Sex Med)系統的レビュー
    分かったこと
    行為中の尿もれは、行為の始まりに起きるタイプ(頻度が高く、主に腹圧性尿失禁が原因)と、オーガズムのときに起きるタイプに分けられる。頻度は0.2〜66%。オーガズムのときのタイプでは、尿流動態検査で、排尿筋過活動や腹圧性尿失禁が見つかっている。尿もれは、尿道の異常や過活動膀胱などによる病的なしるしで、治療が必要。一方、液体が出ること自体は、典型的なオーガズムの一部ではない。
    読むときの注意
    頻度の幅が大きく、研究ごとの定義の違いが影響している可能性がある。
  • Maseroli ほか 2026(J Sex Med)自己申告で液体が出ると答えた13人と、年齢をそろえた対照の女性。質問紙と液体の分析
    分かったこと
    液体が出ると答えた13人を、成分の分析で分類すると、勢いよく出る液体が8人、行為中の尿もれ(失禁)が4人、女性の射精が1人だった。
    読むときの注意
    13人の小さな研究。頻度の推定ではない。自己申告の「液体が出る」が、成分の違う別々の現象に分かれた、という例の報告。

区別がつきにくい理由

自分では同じ感覚でも、成分を分析すると別の現象だった、という結果が Maseroli ほか(2026)にあります。見た目や量、タイミングだけで区別するのは難しい、ということです。自己判断で「これは大丈夫」「これは病気」と決めにくい分野です。

相談先の考え方

レビューが「治療が必要」とするのは、尿道の異常や過活動膀胱などが原因の尿もれです。気になる場合は、原因を調べられる泌尿器科や婦人科に相談できます。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。

勢いよく出る液体との違いは → 液体の正体の面、女性の射精の面。

まだ分かっていないこと

  • それぞれのタイプの本当の頻度(0.2〜66%は幅が広すぎる)
  • 自分で区別する、確かな方法

自分の体について考えるとき

尿もれがあっても、恥ずかしいことではありません。治療が必要な状態かどうかは、専門家に調べてもらえます。

よくある質問

行為中に尿が出たら、必ず病気?

レビューは、尿もれ(失禁)は病的なしるしで治療が必要としています。一方で、勢いよく出る液体や射精は生理的な現象として区別しており、すべてが失禁というわけではありません。区別には液体の分析が必要になることもあります。

頻度はどれくらい?

行為中の尿もれは0.2〜66%と報告されていますが、幅が大きく、一つの数字にはまとめられません(Pastor 2013)。

出典

いずれも PubMed に載っている要旨(アブストラクト)を 2026年10月31日 に読んで確かめました。論文の全文は読んでいません。要旨に書かれていないことは、この面にも書いていません。

  • Pastor Z. Female ejaculation orgasm vs. coital incontinence: a systematic review. J Sex Med. 2013;10(7):1682-1691. PubMed 23634659
  • Maseroli E, Pesce F, Yannas D, et al. The squirt game. Psychosexual characteristics of women experiencing squirting: insights from a case-control study. J Sex Med. 2026;23(2):qdaf389. PubMed 41504413

更新日:2026年10月31日|gspot.tokyo 編集委員会。当サイトは医療機関ではありません。この面は医学的な診断や助言ではなく、公表された研究の要旨を読んでまとめたものです。出血、強い痛み、発熱、排尿時の痛みなどの症状がある場合は、婦人科での受診を優先してください。

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